投稿日:2020-05-05 Tue
「けビンと踊ろう。」にようこそ。このブログは、管理者の思いつきでブログタイトルがコロコロ変わる、
ショートストーリーを主としたアホブログです。
ストーリーの出来や文章力は別として、私のお気に入りからお読みいただくと嬉しいです。
いいわけ つまらない話 戦隊モノ 新入りをよろしく 空き地
アメリカンをひとつ。 契約にご用心
皆さんからお題をいただいて、書いたお話があります。
お題の内容=始めと終わりを指定した30のお題 作品= 【弟に思いを馳せて】
ちょっと長くなりましたので、覚悟して読んでいただければと思います。笑
(↑本当は、もう少し話を煮込みたかったのですが)
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投稿日:2008-07-04 Fri
よろしく。誰もいない部屋で、僕は大きな声で言った。
言った相手は、ワンルームのアパートだ。
変ですか? でも、いいじゃないですか。
ここは僕の部屋。 誰が見ているわけでもないんですから、好きなようにさせて下さいよ。
「じゃあ、この契約書に名前とハンコをください。」
言われるがままに、僕は名前を書いてハンコを押した。
「それでは毎月、月末にお家賃を届けに来て下さい」
「銀行の引き落としとかではないんですか?」
「それも便利なんですけどね。私、機械的なものが苦手なんですよ」
「はぁ……」
「それに、毎月住まわれている方のお顔を見れることが楽しくてですね。まぁ、老人ですから」
大家のシワだらけの顔に、さらなる笑いジワができた。
「僕の給料日は、毎月五日なんですが……」
「いいですよ。毎月払っていただければ」
「ご迷惑をおかけします。では、給料が出たらすぐにお持ちします」
「すぐでなくてもいいですよ。踏み倒さなければね。ははは……いや、失礼」
「いや、いいんですよ」
もしかしたら、だれかが家賃を払っていなかったのかもしれない。
それで、失礼を承知でこんな台詞を言ったのかもしれない。
「僕の前に住んでいた方って、どんな方でしたか?」
「ん? なぜですかな?」
「い、いや。なんとなくですけど……」
「大丈夫ですよ。あの部屋を借りていた方は、とてもきれいに使ってくださいましたし、その前の方も丁寧に部屋を使ってくれました。周りの方も親切な方ばかりですよ」
大家の男は、またシワだらけの顔に笑みを浮かべて言った。僕としても、振り込み手数料の負担をしなくて済む。
最初は、そう考えていた。
さて、たとえ清掃業者が作業していても、自分の手でキレイにしないと気が済まない。
僕は部屋に挨拶すると、バケツと雑巾を使って掃除をすることにした。
さすがは業者の仕事だ。
たくさん使った雑巾も、ほとんど汚れてなんかいない。
きれいな雑巾を洗うのも癪なので、業者でも手をつけないところをきれいにしよう。
新しく世話になる部屋に、失礼のないようにしなくてはいけないからね。
あのノートを見つけるまでは、そんな安易な気持ちでいた。
そのノートは、押入れの天井を押し上げたところにあった。
表紙は少し色褪せていて、年月を物語っている。
一ページ目は、黒いボールペンで書かれた、男性の筆跡のものだった
平成11年 3月 7日 日曜
あと一週間で、俺はこの部屋を出ていく。
この部屋は、狭すぎるのだ。
だってそうだろう? 結婚するのにワンルームもないだろう。
この部屋には、いろいろと思い出が詰まっている。
愛着すら湧いているこの部屋を出ていくのは、
正直なところ、辛く感じる。
ありがとう。俺がこの部屋で過ごした経験は、
一生の宝物になるだろう。
戻ってくることはない部屋に、
ただ、感謝したい。 さらば
なんだこりゃ。
ページをめくって見ると、今度は青いインクで書かれていた。
明らかに女性の筆跡だ。
平成20年 4月 1日 土曜
やっと転職できた。
新しい職場は、都心の方。通勤が大変になるから、私はこの部屋を出ていくことになりました。
この部屋、なんか落ち着くのよね。
本当は離れたくないんだけど、仕方がないわよね。
この部屋の新しい借主さんが、このノートを見つけてくれることを期待して書きこませてもらうわ。
先代の男性が結婚でき、私も希望の仕事に就くことができました。
あなたにも幸せが来ますように。
ノートは、残りがたくさんあるのに、この書き込みだけで終わっていた。
大家の悪戯にしては手が込んでいる。
僕は押入れから頭だけを出して、天井や壁を見まわした。
ハウスクリーニングの業者が丁寧な仕事をしたのだろう。シミひとつない。
ノートを押入れの天井に戻すと、僕は掃除をやめてもいいような気がしてきた。
「こんにちは。家賃を払いに来ました」
「おお、こんにちは。では、ありがたく頂戴しますね」
老人はニコニコ笑いながら、僕が持ってきた封筒の中を確認する。
「それで、部屋の住み心地はどうです?」
老人が領収書を切りながら僕に話しかける。
「ええ。気に入ってますよ。なんか、幸せになりそうな気がします」
冗談に聞こえなのかもしれない。老人が大きな声で笑った。
僕もそれにつられて笑ってしまったのだが、あの部屋にいれば大丈夫。
根拠はないけれど、本当にそう思っている。
もし僕が幸せになれたら、あのノートに書き込みをしなくてはね。
これは重要なことだと思う。
投稿日:2008-07-03 Thu
皆さん、おはようございます。踊ってますか?私が管理する、もう一つのブログ『人造人間たろすけ(すけピン)のブログ』でも記事にさせていただきましたが、諸事情のために更新が週一回以下のペースになりそうです。
リアル生活が忙しいためです。
せっかく皆さんと、いい感じで踊っていたのですが、私自身のリアル生活のために、しばらくトー・シューズを脱ぐことになりそうです。
しかし、心配はいりません。
忙しさの合間に、ついついアホなことを考える癖は、たぶんやめられないから。笑
リアル生活が落ち着いたら、また更新頻度を多くしていこうと思っています。
皆さんと踊るのが楽しいので、必ず帰ってきたいと思っていますから。
ところで、たろすけ(すけピン)のブログで、私のネームプレートを公開しました。
あれはお手製の物だったのですが、とある企業が無料で名刺を作ってくれるとのことで、けビンの名義で作ってもらいました。
これです 

……名前から役職や立場を勝手に想像して、勝手に印刷してくれるのはとても有名な企業でしたが、ここまでの精度があるとは思いませんでした。とても偶然とは思えない。爆
あ、ちなみに名刺を無料で作ってくれた企業は名刺メーカー様です。
遅いながらも更新はしていきます。
思い出した時にでも、ここに足を運んでいただけたら幸いです。
2008/07/03 けビン
投稿日:2008-06-28 Sat
駅まで歩いて二十五分。周りには何もないから、あのコインランドリーが一層明るく見える。そこで人を見かけることは、滅多にない。
動いている洗濯機をガラス越しによく見かけるから、誰かが日常的に使っているのはわかるのだが。
俺も、一人暮らしをしていた頃はよく使っていた。
洗濯機を置くスペースがないアパートだったし、それを買う金もなかった。
紙袋に酸っぱい臭いのする衣類を入れ、銭湯に行く途中で立ち寄ったコインランドリー。
あまり汚れは落ちなかったっけ。今もそこにあるのだろうか。
もう二十年以上も前に住んでいた街を思い出しながら、歩くことを止めずに前に進む。今、この瞬間もだ。
やっとの思いで購入できた家だ。
駅から遠いとか、新宿までどれだけかかるんだとか、妻にも子供にも色々と反対をされたが、住めば都だ。
自然の残る住宅地で今、俺は平和に暮らしている。妻も子供も、それなりにこの環境を気に入ってくれたのが何よりだ。
ごとごとと音を立てる洗濯機の音が、店内の蛍光灯の明かりと共に道路に洩れる。
洩れてきたのは音と光だけではない。コインランドリー独特の、クリーニング屋にも似た湿り気のある匂いだ。
どこか懐かしくて、思わず立ち止まってしまった。
妻と出会う前は、炊事も洗濯も適当だったな。一人でいる気楽さもあったけれど、どこか物足りない日々を過ごしていたのかもしれない……
「……さん。父さん!!」
後ろから声をかけてきたのは、俺の息子だった。
「父さん、どうしたの?」
自転車にまたがったままの息子は、不思議そうな顔をしている。
「あ、何でもないよ。それよりお前、何してるんだ?」
「泥だらけのユニフォーム、家で洗濯するなって母さんが言うんだ。それでここでね」
「ははは。そうか。もうすぐ終わるのか? ユニフォームの洗濯は」
「うん。もう終わっているよ」
「……なぁ、一緒に帰らないか?」
「え? なんで?」
「いや、別にいいじゃないか。父さんも昔は世話になったんだ。コインランドリーに」
「……いいけど、別に昔と変わらないんじゃん?」
たしかに、息子の言うとおり、コインランドリーそのものの機能は変わっていない。
変わっていないからこそ、やはり懐かしいのだ。
汗ばむ夜。湿った匂い。
息子も将来、コインランドリーに懐古心を抱く日が来るのかもしれないな。
ふっくらと乾燥したユニフォームをバッグに詰め込む息子を見て、俺は少し頬が緩んだ。
レイバックさんの『Drive me crazy』を読んで、男同士の親子の話を書きたくなりました。
ま、いつもの通りプロットがしっかりしていないから、多少変な文章でも気にしないでください。笑
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